
- PHP 本体に、致命的(Critical・CVSS 9.2)な脆弱性が2件見つかり、修正版が10月21日 23:00(日本時間)に公開される予定です。
- WordPress などのプラグインやテーマを更新しても防げません。サーバーの PHP 本体を修正版に更新する必要があります。
- サポートが終わった PHP 8.1 以前には、公式の修正版が出ない見込みです。サポート中のバージョンへの切り替えが必要です。
- レンタルサーバーの場合、PHP 本体の更新は多くの場合サーバー会社が行います。サーバー会社の告知と、管理画面の PHP バージョンを確認してください。
最新情報(随時更新)
公開情報をもとに、新しい順に追記しています。時刻は日本時間です。海外のセキュリティ企業などの情報は、PHP 公式が確認したものではない点にご注意ください。
- エックスサーバーが告知を更新。利用者のサーバーに緩和策を順次適用、修正版の公開後は各PHPバージョンに適用予定エックスサーバーは告知のよくある質問で、利用者のサーバーにも修正版公開前の緩和策を含む安全対策を順次適用していると説明しました。修正版の公開後は、提供している各PHPバージョンに公式の修正版や同社独自の修正を順次適用する予定で、利用状況によっては管理画面の再開後に利用者へ追加の対策を依頼する場合があるとしています。出典:エックスサーバー
- IPA が「事前準備のお願い」を公開。ConoHa WING も緊急メンテナンスIPA は、PHP を使っているシステムの棚卸しと、修正版をすぐ適用できる準備を呼びかけています。サポートが終わった古い PHP を使い続けているサイトがあることにも触れ、公表後できるだけ早い適用を求めています(掲載時刻の記載なし)。ConoHa WING は 19:00〜翌10:00 に一部サーバーで緊急メンテナンスを実施します。出典:IPA
- KAGOYA・ロリポップが PHP を名指しして対応を告知KAGOYA はレンタルサーバー(PHP 8.2〜8.5系)を修正版の確認後に順次アップデートし、その他のプランは対応方針を調整中としています(18:20 更新)。ロリポップは予防措置として管理ページなどを順次停止し、必要と判断した場合は利用者のサイトを予告なく制限することがあると告知しました。出典:KAGOYA
- 海外で「悪用の報告あり」との情報。一方で IPA などは悪用を確認していない海外の WordPress セキュリティ企業 Patchstack は、複数のホスティング会社から悪用の報告を受けたとしています。Cloudflare も緊急の WAF ルールを追加しました。一方、IPA や一部の調査会社は実際の悪用を確認していないとしており、情報が分かれています。
- エックスサーバーが管理画面などを予防的に停止。サイト表示・メールは通常どおりエックスサーバーは 16:00 から、公式サイト・サーバーパネル・WEBメールなどを予防的に停止しました。利用者のサイト表示とメールの送受信には影響がなく、再開は 21日深夜〜22日未明の見込みです。告知に PHP の名前はありませんが、「本日公表される予定」の脆弱性への対策としています。出典:エックスサーバー
- 「php.ini の設定変更だけでは防げない」。暫定策の効果は限定的と追記GMO Flatt Security は、当初示した暫定策(php.ini で session.upload_progress.enabled=0 にする)について「ややの緩和策に留まり、根本的にはパッチが必要」と追記しました。窓の杜も 15:20 に同じ趣旨を追記しています。パッチ公開までは攻撃とみられる通信の監視を続け、公開後すぐに適用することが勧められています。
- Movable Type(シックス・アパート)が影響ありと告知。さくらのレンタルサーバも緊急メンテナンスシックス・アパートは、ダイナミックパブリッシングなどで PHP を使うため影響を受けると告知し、ソフトウェア版の利用者には修正版公開後の PHP 更新を強く勧めています。さくらインターネットはレンタルサーバなどで 13:00〜翌8:00ごろの緊急メンテナンスを実施中です(告知に PHP の記載はありません)。出典:シックス・アパート
- GMO Flatt Security が分析を公開。「Session Upload Progress 機能に関係」と推定国内のセキュリティ企業 GMO Flatt Security が、この脆弱性(通称 php2shell)はメモリ破壊系で、初期設定で有効な Session Upload Progress 機能に関係すると推定する分析を公開しました。研究者の投稿では mod_php・PHP-FPM、WordPress・Laravel・Symfony などの構成で再現したとされています。
- PHP公式が「重大なセキュリティリリース」を予告。日本時間 21日23:00 公開予定PHPのセキュリティチームが php.net で、Critical(致命的)な脆弱性2件を修正するリリースを 10月21日 14:00(協定世界時)=日本時間 23:00 に出すと告知しました。CVSS 4.0 の基本値はどちらも 9.2。影響を受けるバージョンと修正版はリリースと同時に公開され、悪用の証拠が出た場合などは前倒しもあり得るとしています。※告知は10月20日付(時刻の記載なし)。出典:php.net(英語)
- 海外の掲示板に「PHPのRCE(遠隔からのコード実行)2件が近く公開される」との投稿協定世界時 10月20日15:20(日本時間 21日0:20)、Hacker News に PHP の深刻な脆弱性2件が近く公開されるとする投稿があり、攻撃ツール「PHP2Shell」の画面とされる画像も出回りました。本来の公開日は 10月22日だったとされ、情報が漏れた形です(いずれも海外のセキュリティ企業の分析による未確認情報)。出典:Sansec(英語)
php2shell とは?何が起きているのか
「php2shell」は、Web サイトを作るためのプログラミング言語 PHP 本体に見つかった、2件の深刻な脆弱性の通称です。研究者の投稿で使われた呼び名で、PHP 公式の名前ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 深刻度 | Critical(致命的)。CVSS 4.0 の基本値はどちらも 9.2(10点満点)[php.net] |
| 修正版の公開 | 2026年10月21日 23:00(日本時間)予定。前倒しの可能性あり[php.net] |
| CVE 番号 | CVE-2026-109618 / CVE-2026-109619[IPA・CERT-EU など。PHP 公式の告知には記載なし] |
| 起きうること | 外部から任意のプログラムを実行される(サイトの乗っ取り、情報の流出、改ざんなど)おそれ[CERT-EU は「認証なしのリモートコード実行の可能性」としている] |
| 影響するバージョン | 未発表。リーク情報では「PHP 5 以降すべて」とされているが、公式は未確認[CERT-EU・IPA] |
| 修正版の番号 | 未発表(23:00 のリリースで公開予定) |
| 悪用状況 | 情報が分かれている。海外の一部企業は「攻撃の報告あり」、IPA は「悪用は確認していない」 |
9月24日に公開された PHP 8.5.11 / 8.4.26 / 8.3.35 / 8.2.34 は定例のセキュリティ更新で、今回の修正版ではありません。これらのバージョンを使っていても、今回の脆弱性は修正されていないと考えてください。
なぜここまで騒がれているのか
理由は3つあります。1つ目は、PHP を使っているサイトが非常に多いこと。サーバー側の言語が分かるサイトの約7割が PHP だという調査もあります[ITmedia が W3Techs を引用]。WordPress で作られたサイトの多くもここに含まれます。
2つ目は、アプリより手前で攻撃が成立するとみられること。海外の分析では、PHP がリクエストを受け取って解析する段階の問題とされており、WordPress やプラグインをどれだけ最新にしていても、PHP 本体が古ければ防げません[Sansec]。
3つ目は、修正前に情報が漏れたことです。本来の公開日は 10月22日だったとされますが、情報が出回ったため PHP が日程を前倒ししました[SOCRadar・abgeo.dev]。海外の調査会社は「リリースから15分以内に大規模な攻撃が始まる」と予想しています[Sansec]。
原因は?(推定)
国内のセキュリティ企業 GMO Flatt Security は、メモリ破壊系の脆弱性で、PHP の初期設定で有効になっている「Session Upload Progress」機能(ファイルのアップロードの進み具合を記録する機能)に関係すると推定しています。ただし、技術的な詳細は公式には公開されていません。
どんなサイトが対象になるのか
公式の影響範囲は 23:00 のリリースまで分かりませんが、公開されている分析から、次のようなサイトは特に注意が必要です。
| こんなサイト | 注意が必要な理由 |
|---|---|
| WordPress・EC-CUBE・Movable Type など、PHP で動く CMS のサイト | PHP 本体の問題なので、CMS やプラグインの更新では防げない。Movable Type は提供元が「影響あり」と告知 |
| 共用のレンタルサーバー | PHP 本体の更新はサーバー会社しだい。告知の確認が必要 |
| PHP 7.x・8.0・8.1 など、サポートが終わったバージョンのサイト | 公式の修正版が出ない見込み。公開サーバーの59%が 8.1 以前という海外の調査もある[abgeo.dev] |
| 問い合わせフォームや画像のアップロードがあるサイト | 攻撃の経路がファイル送信の処理だと推定されている[Sansec・GMO Flatt Security] |
| VPS・専用サーバー・クラウドで自社管理しているサイト | PHP の更新を自分たち(または委託先)で行う必要がある |
| 制作会社に作ってもらったまま、保守契約がないサイト | 誰が更新するのかが決まっておらず、対応が遅れやすい |
自社サイトが対象か確かめる方法
1. PHP で動いているかを確かめる
WordPress で作られたサイト(URL に /wp-content/ や /wp-admin/ が含まれる)は PHP で動いています。分からない場合は、サイトを作った制作会社や、サーバーの契約内容を確認します。
2. PHP のバージョンを確かめる
- レンタルサーバー:管理画面(サーバーパネル・コントロールパネル)の「PHP バージョン設定」などで確認できます。
- WordPress:管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「サーバー」に PHP のバージョンが表示されます。
- VPS・専用サーバー:コマンドの
php -vに加えて、Web サイト側で動いている PHP(PHP-FPM など)のバージョンも確認します。両者が別のことがあります。
3. サーバー会社・制作会社の告知を確かめる
レンタルサーバーを使っている場合、サーバー会社が PHP 本体を更新するのが一般的です。各社の告知ページで、対象プランと更新の予定を確認してください(各社の状況)。
今すぐやるべきこと(パッチ公開まで)
IPA は「棚卸し」「PHP Group や開発元の情報を見張る」「すぐ適用できる準備」の3つを求めています。中小企業の場合は、次の順で進めるのが現実的です。
- PHP を使っているものを洗い出す:コーポレートサイト、採用サイト、EC、予約システム、問い合わせフォーム、社内ツールなど。制作会社に任せているサイトも含めます。
- 誰が更新するのかを決める:レンタルサーバーならサーバー会社、VPS・クラウドなら自社か保守業者。連絡先と、23:00 以降に誰が動くかを決めておきます。
- バックアップを取る:ファイルとデータベースを丸ごと保存し、更新で不具合が出ても戻せるようにします。
- 管理画面で PHP のバージョンを確認する:8.1 以前なら、サポート中のバージョンへの切り替えを準備します(後述)。
- サーバー上の情報と権限を減らす:不要なデータを置かない、クラウドの権限を最小にする、ログが残る設定か確かめる[GMO Flatt Security]。
- すぐに更新できない重要なサイトは、一時停止も選択肢:決済や個人情報を扱うサイトで更新の見込みが立たない場合、公開を止めることも検討します[CERT-EU]。
- ネット上の「PoC(攻撃の検証コード)」や「修正プラグイン」「コピペで使える設定」を実行・導入すること。偽物やマルウェア入りの可能性があります[Patchstack・abgeo.dev]。
- php.ini の設定変更(
session.upload_progress.enabled=0)だけで安心すること。「ややの緩和策に留まり、根本的にはパッチが必要」とされています[GMO Flatt Security]。 - WAF(Cloudflare など)を入れたから大丈夫と考えること。WAF は時間稼ぎで、サーバーに直接届く通信は防げません[Sansec・Patchstack]。
パッチ公開後にやるべきこと
- 公式の発表で、影響バージョンと修正版を確認する:php.net のリリースノートと、自社の PHP のバージョンを照らし合わせます。
- 修正版に更新し、Web サーバー・PHP-FPM を再起動する:古いプロセスが残っていると修正が効かないことがあります。
- 実際に動いている PHP のバージョンを確かめる:Web サイト側で確認します。Linux ディストリビューションの PHP は、番号が上がらずに修正だけ取り込まれることがあるため、更新履歴で CVE 番号を確認します。
- サイトの表示と動作を確かめる:トップページ、フォームの送信、ログイン、決済など。
- 乗っ取られていないかを確かめる:見覚えのないファイルや管理者アカウント、新しく登録された定期実行(cron)、Web サーバーから不審なコマンドが実行された跡がないかを確認します。リーク(10月20日)から更新までの期間を重点的に見ます。
- 怪しい点があれば:サーバーを切り離し、ログを保全したうえで、データベースのパスワードや API キーなどを変更します。
レンタルサーバー各社の対応状況
各社の公式告知で確認できた内容です(10/21 21:42 時点)。最新の情報は各社のページをご確認ください。
| サーバー会社 | 告知の内容 |
|---|---|
| KAGOYA | PHP の脆弱性(CVE-2026-109618 / 109619)について告知。レンタルサーバー(PHP 8.2〜8.5系)は修正版を確認後に順次アップデート、その他のプランは方針を調整中(告知) |
| ロリポップ! | PHP の脆弱性への予防措置として、ユーザー専用ページなどを順次停止。必要と判断した場合は利用者のサイトを予告なく制限することがある(告知) |
| エックスサーバー | 16:00 から公式サイト・サーバーパネルなどを予防的に停止。サイト表示とメールは通常どおり。再開は 21日深夜〜22日未明の見込み。21:15 の更新で、利用者のサーバーに緩和策を順次適用中、修正版の公開後は各PHPバージョンに順次適用する予定と説明 |
| さくらのレンタルサーバ | 10/21 13:00〜10/22 8:00ごろ 緊急メンテナンス(告知に PHP の記載はなし)(告知) |
| ConoHa WING | 10/21 19:00〜10/22 10:00 一部サーバーで緊急メンテナンス(告知に PHP の記載はなし) |
| カラフルボックス | 10/22 0:00 以降、全サーバーで順次セキュリティメンテナンス(告知に PHP の記載はなし) |
古い PHP のままのサイトはどうする?
PHP には、バージョンごとにサポート期間があります。サポートが終わったバージョンには、セキュリティの修正も出ません[php.net]。
| バージョン | 状態(2026年10月21日) | セキュリティサポート終了 |
|---|---|---|
| 8.5 | サポート中 | 2029年12月31日 |
| 8.4 | サポート中 | 2028年12月31日 |
| 8.3 | セキュリティ修正のみ | 2027年12月31日 |
| 8.2 | セキュリティ修正のみ | 2026年12月31日(あと2か月余り) |
| 8.1 以前 | サポート終了 | 8.1 は 2025年12月31日に終了 |
PHP 8.1 以前のサイトは、今回の修正が公式には出ない見込みのため、サポート中のバージョンに切り替える必要があります。8.2 もまもなくサポートが終わるので、切り替えるなら 8.4 か 8.5 がおすすめです。
ただし、PHP のバージョンを上げると、古いテーマやプラグイン、独自のプログラムが動かなくなることがあります。いきなり本番で切り替えず、検証用の環境で表示と動作を確かめてから切り替えるのが安全です。古いサーバーでは新しい PHP を選べない場合もあり、その場合は新しいサーバーへの引っ越しが必要になります。
PHP のバージョン確認、修正版への更新、PHP の切り替えにともなう WordPress やプラグインの修正、新しいサーバーへの引っ越しまで、まとめてお受けします。無料相談はこちら
よくある質問
WordPress を最新にしていれば大丈夫ですか?
いいえ。今回は PHP 本体の問題なので、WordPress やプラグインの更新では防げません。サーバーの PHP を修正版にする必要があります。
レンタルサーバーなら何もしなくていいですか?
PHP 本体の更新はサーバー会社が行うことが多いですが、管理画面でサポートの終わった古い PHP を選んでいる場合は、ご自身で切り替える必要があります。サーバー会社の告知もあわせて確認してください。
php.ini の設定を変えれば防げますか?
当初示された設定変更(session.upload_progress.enabled=0)は、「ややの緩和策に留まる」とされています。根本的な対策は修正版への更新です。
すでに攻撃されているか分かりますか?
見覚えのないファイルや管理者アカウント、不審な定期実行の登録、アクセスログなどから確認できます。ご不安な場合はご相談ください。